長男が僕に今を楽しむことを思い出させてくれた

長男が僕に今を楽しむことを思い出させてくれた

2021/10/19

10月16日(土)は、4歳長男が通う保育園の運動会でした。
目覚めて窓を開けると雨が降っていて地面がけっこう濡れており、「え、天気予報ではくもりだったのに…。開催できるのかな」と不安を感じました。朝ごはんを食べる長男も心配そう。しかしその後保育園から保護者あてに「開催時間を遅らせて決行します」とのメールが来て、2人して安心しました。
指定された公園に自転車で長男と向かうと、会場ではマイクテストの音声が響き、園児と保護者がたくさんいて、運動会がこれから始まるんだなという活気を感じましたね!保護者がたくさんいたといっても、感染症対策のため園児1人につき見学に来られる保護者は1人だけ。我が家では僕が現地へ行き、妻はライブ配信で運動会の様子を見ることにしました。
長男が出場した2つの演目のうちの1つが、かけっこでした。小さい子どもたちが一生懸命に走る姿は可愛くて、僕が大好きな演目です。出場する園児はスタート地点で名前を呼ばれるのですが、元気よく「はーい!!」と返事をしていて思わず笑みがこぼれます。保護者はゴール地点にある見学スポットで子どもたちの勇姿を眺めるのですが、はつらつとした「はーい!」の声は離れた場所までも鮮明に聞こえてきました。長男は名前を呼ばれるとジャンプをして返事をしていて、可愛さのあまりパパは大興奮です。
位置について、よーい、どん!
先生の号令に合わせて、園児4〜5人が一斉に走り始めます。長男は見事なスタートを切り、トップでゴールにやってきました。わかる、わかるよ。毎週公園に行くと学生時代にはリレー選手の常連だったパパが追いつけないくらいの速さで走るからね。
長男はニコニコしながら走ってきて、ぶっちぎりの1位でゴールテープを切る!かと思いきや、彼はなぜかゴール直前で足を止めて振り返り、一緒に走っていたお友だちの様子をうかがい始めたのです。クラスの仲良しさんがいたので、その子のことが気になったのかもしれません。
「なんで止まるの?ゴールに行かなきゃ!」
見学スペースから僕は長男に声をかけ、再び走ることを促しますが時すでに遅し。後から走ってきた仲良しさんに追い越され、逆転を許してしまったのです。
それでも長男は、追い越されたことなんてお構いなし。順位なんて気にせずニッコニコで、「パパ!走ったよー!」と上機嫌です。僕は「よく頑張ったね」と彼の頭を撫でて、頑張りをねぎらいました。
しかし見学スペースから保護者席に戻った僕は、なんだか釈然としない気持ちに包まれました。
長男は誰よりも足が速かった。途中まで他の子たちをリードし、確実に1位を取れたのに。
勝てたゲームに負けたことに悶々としたと同時に、ゴールまであと一歩のとこほで他の園児を気にして失速した長男の行動が理解できなかったのです。
でも、僕のその気持ちはすぐに消えていきます。きっかけは、園児たちがみんな、とにかく楽しそうに演技をする姿を見たことでした。演目は10種類以上あり、長男が出場しない演目でも僕は眺めていました。平均台を渡ったり、綱引きをしたり、豆自動車に乗ったり。うまくできる子も、ちょっと時間がかかってしまう子もいる。でもどの子も一生懸命に取り組んでいたし、何よりも楽しそうにしていたのです。
誰が1位になった、紅白どちらの組が勝った。演目には勝ち負けはあったものの、それは形だけ。当の園児たちは勝った負けたよりも、出場できたことを喜んでいるように僕の目には映りました。

保育園のお部屋前の壁には、その日に園児がどんな風に過ごしたかのダイジェストとも言える保育記録が掲示してあります。夕方にお迎えに来た保護者が必ずと言っていいほど見る人気なのですが、この1ヶ月くらいの間は運動会の練習の様子が頻繁に書かれていたのです。実際、僕の長男も練習を頑張ったことを僕に嬉しそうに話してくれていました。
頑張って練習してきた演技を、パパママに見てもらえる 大好きなお友だちと一緒に、運動会に参加できる
長男を含め園児たちにとって、それらが一番楽しくて、嬉しいことだったのだろうと僕は子どもたちの様子を見て感じました。それに気づいたとき、僕は勝ち負けにこだわっていた自分が恥ずかしく思えました。
長男が練習を頑張ってきたことを僕は知っている。スタートからゴールまで、一生懸命に走る姿も、ゴール目前で止まってお友だちの様子をうかがった姿も素敵だったじゃないか!
長男は逆転されたことなど全く気に留めておらず、かけっこで走ったり、綱引きをしたり、ダンスをしたりすることが楽しくてたまらない様子でした。他の園児も同様で、みんな笑っていたんですよ。いい笑顔でした。
僕の頭にふとよぎったのは、「僕は自分がやっていることを楽しんでいただろうか」ということでした。
仕事にしても、育児にしても、何をやるにしても成果ばかりにこだわってしまい、思うように進まないことに苛立ちを覚えることが最近多かったんです。このところは気持ちが安定しなくて、感情が迷子になっているなと自覚していました。
その原因は、僕が今やっていることを楽しんでいなかったからではないかとハッと気がついたのです。仕事も子育ても、他のこともそうですが、大好きだから始めたわけです。ところがいつしか、純粋に楽しむ心を忘れ、自分がどれだけの成果をあげたか、どれほどの報酬になったかばかりに心を奪われていってしまった。
もちろん、仕事では楽しくするだけでは評価はされません。仕事を僕にお願いする人は僕に何かしらの結果を出すことを期待するわけですからね!でもよく考えてみると、同じ成果を出すのであれば、楽しそうにやる方が自分も心地いいし、仕事を組む人からも好感を抱かれると思うのです。
わあ!今日もライティングができて楽しい。 インタビューができて楽しい。 勉強するのが楽しい。 子どもたちのごはんを準備するのが楽しい! などなど。楽しい気持ちで物事に臨む方が、自分はしあわせです。
それに、運動会に出ていた園児たちは、一生懸命でした。走るのも、踊るのも、喜ぶのも全力一生懸命。うまくいくか、いかないかなんて気にせず今を楽しんでいる。僕は運動会で、子どもたちから今を全力で楽しむことを学びました。一生って、今を楽しんだ積み重ねだと思うし。
運動会の終わりには、クラスの先生から園児に金メダルが贈られました。長男はご覧の通り大喜び!

寝る時も寝室に持ってきて、握ったまま眠りに落ちていました。
パパに大切なことを教えてくれてありがとう!
お読みくださり、ありがとうございました。
そのべゆういち charoma0701@gmail.com

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