仕事は誰かの困りごとを解消すること。
かつて読んだ本に書いてあった言葉で、ついつい目の前のことに忙殺されて仕事の目的を忘れかけたときに思い出すようにしています。
仕事では誰かの困りごとを解消するわけですから、スキルや経験がとても大切です。たとえば、英語を日本語に翻訳をしようと思っても肝心の英語がわからなかったら、どうしようもありません。翻訳をしたいなら、英語や翻訳テーマに関する知識、適切な訳語を選べる国語力が必要ですね!仮にテーマがビジネスなら、訳者はビジネスの経験や知識があった方が内容を掴みやすいし、適切な日本語を選べそうです。
このように仕事では能力が重要ではあるのですが、最近ひしひしと感じることがあります。それは、能力だけでなく人柄や人間性も大切さということです。
実は近ごろ、「そのべさんの文章が好きだ」「そのべさんとお話をしてみたいと思った」「そのべさんのことがなんだか気になった」とご連絡をいただくことが増えてきました。
世界にはたくさんの人がいるのに、その中で僕を気にかけてくださって本当にうれしい!そう感じていただけて光栄ですし、そう思っていただけるのは当たり前のことではありません。この場を借りて、心から感謝いたします!
もちろんお声かけくださった方が依頼をしたい仕事について、僕の経歴やスキルが合っているとの前提はあるはずです。そのうえで、僕の人間性に好感を持っていただけたのです。とてもうれしい!
繰り返しますが、仕事では能力を身に着けるのが何よりも大事だと思います。僕はライターであると同時に不動産事業に関わっていますが、執筆テーマ(主に子育て)や不動産についての知識吸収に努めなければ仕事になりません。自分にスキルがなかったら、誰かの困りごと解消のお手伝いができないからです。
でも勉強をして力をつけるだけでは、不安定。仕事には人が関わりますが、人には感情があります。仮に僕がめちゃめちゃ高いライティングスキルを持っていても、「ふん、仕事を受けて書いてやるよ!」みたいな上から目線の態度をとっていたら、依頼主は僕と一緒に仕事をして楽しいとは思わないでしょう。中には成果さえ出してくれればやりとりの丁寧さなんて気にしない人はいるかもしれません。でも、その人ですら礼儀を欠き話しにくい僕と組んで楽しいとか、もっと関わりたいとは感じないはずです。
能力を磨くことに加え、人間性にも磨きをかける必要があることを、最近の出来事から僕は強く感じたのです。
人間性に磨きをかけるといっても、お寺で座禅を組むとか、読経をして精神統一するとか、そこまでする必要はないです。僕が思う人間性に磨きをかけるとは、素直で物腰柔らかく、相手の立場に立って物事を考えられる人になること、です。
自分の考えに自信を持つのは素晴らしいことである一方、見方を変えれば頑固ともとらえられかねません。仕事で接する人からのフィードバックを受け止める心のゆとりを持たないと、相手は意見を言いづらくなる。こうなるとコミュニケーションが取れなくなってしまいます。もし失礼なことをしたら言い訳せずに「申し訳ございません」と伝えることも必要でしょう。
物腰の柔らかさは、親しみやすさや話しかけやすさに繋がります。仕事は人と人とのコミュニケーションで成り立っているので、接しやすい人の方が意思疎通がうまくいくように思います。感じも態度も悪い、その場にいると周りの人を緊張させるような人よりも、その人がいるとなぜか場の空気が明るくなる人の方が一緒に仕事をしたいと思うのではないかなぁ。
相手の立場で物事を考えられるのも、仕事をするうえで重要な要素です。文章であれば「これを書いたら読んだ人がどう思うか?」との配慮につながるし、オンライン中心の仕事では連絡を入れるタイミングや言葉づらい、伝え方などに気を使えるようになります。相手がいまどう思い、何を欲しいと思っているのか、どんな状況にあるのかを想像して人と接する力は、能力と並んで仕事で重要な項目にランクインすると僕は思います。
個人事業主としての僕の屋号は、「楽描」(らくがき)なのですが、この名前には自分が仕事を楽しむ以外に、僕と関わった人に前向きな感情をいだいていただく、という想いがあります。(詳しいことは、下のリンクより屋号を説明した記事をお読みいただけたら幸いです)
しかしこんなことを書いている僕ですが、人間としてはまだまだ未熟。育児で心の余裕を失うことはあるし、ちょっと前にはインタビューの打診メールを読み返したときに自己中心的な文面で「自分って配慮がなかったな」と反省をしたところです…。人間性を磨くのは、能力を身に着けるよりもハードルが高いかもしれないとすら感じます。
能力と人間性。これら2つを磨いていこう。そう思ったのでした。
お読みくださり、ありがとうございます。
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